内装製品に関する、安全・強度耐久・環境・車内騒音評価を専門に行う部門。製品開発の初期段階から設計に対し提案を行う、内装製品性能向上の知見を誰よりも多く持つスペシャリスト。
卒業研究でディーゼルエンジン内の流体をテーマにしたことがきっかけで自動車に興味を持つ。また、建築の内装業を営む父親の、内装の仕上がりを見つめる姿に幼い頃から憧れを抱いていたことが、トヨタ紡織を志した理由。
「実験部」という名前から、実験だけを行っているイメージを持たれるかもしれませんが、現場での試験立ち合いは開発の後半の業務です。開発の初期段階では、自動車メーカーが狙っている性能を把握し、それを実現するための形状や材料を検討し、設計と一緒に図面の中に織り込んでいます。また、実験結果だけで事象を判断するのではなく、「なぜこの結果になるのか」という要因を探ることもあります。要因探索のために、新しい評価手法や解析方法にトライすることもあります。私は以前、衝突時の頭部へのダメージを測るHIP(ヘッドインパクトプロテクション)試験で、頭部単軸の挙動だけではなく、複数の挙動とダメージの関係を見られる解析ツールを開発しました。この解析ツールにより、今まではっきり見えなかったことが明確にデータで見え、より深い原因が究明できるようになりました。それまでの当たり前に一石を投じることの大切さを学んだ経験となりました。この経験を生かし、現在は「触り心地」などのヒトの五感の評価を数値化する取り組みを行っています。「触り心地」はヒトの五感最後のブルーオーシャンといわれています。その未開の領域への取り組みに、非常にわくわくしています。
クルマが自動運転に近づくにつれ、内装に求められる要素も変わってきています。これまでは、安全・強度を確保できることが当たり前でしたが、その安全基準も変わってくるかもしれません。そうした時代に、大事にすべきことは、触り心地をはじめとした、ヒトの五感に訴える車室空間全体のクオリティーの追求だと思っています。トヨタ紡織は、「これをやってみたい」という意欲の芽を摘まない会社です。新しい分野にも、果敢にチャレンジし続けたいですね。
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